巨人原辰徳監督(52)が、おいの菅野智之投手(3年=東海大相模)の成長を喜んだ。4日都内で、母校である東海大学野球部のリーグ優勝60回記念祝賀会に出席。来年のドラフトで最注目の右腕と対面した。「大きな夢に向かって着実に1歩1歩進んでいるなと思う」と評価しながら、さらなる飛躍に期待を寄せた。

 原監督は、言葉を選びながらも笑顔でおいっ子評を切り出した。「着実に階段を上っているようなので、伯父として非常に喜んでいます」。来年のドラフトで最も注目を集める投手に対し、この時は監督としての顔ではなかった。

 最速157キロを誇る大学野球界のエースに成長した「東海大・菅野」の動向は、常にチェックしてきた。「注目?

 僕自身が言うのもおかしいが、今年1年で成長したことは、いろいろな人から聞いています」。それでも巨人入りした場合には?

 という質問には「万、万、万が一、そういうことになったら考えます」と慎重に話し、こう続けた。「野球に真剣に取り組み、昔からプロ野球選手になりたいという夢を持っていた子。こういう質問をされることは、成長したのかなと思う」。

 原監督も高校、大学時代と、監督を務めていた父貢氏(現東海大野球部顧問)と、親子タカとして注目を集めてきた。実妹の息子である菅野が巨人に入団することになれば、間違いなく大きな注目を集めることになる。それだけに、今の時点では「伯父」の顔と「監督」の顔を、しっかり使い分けた。「伯父としては多くを論じたいが、巨人の監督として、1選手を評するときは、簡単には(評価を)言ってはいけない。2つをきっちり分けた状態で、論ずる必要があるだろう。それが彼にとっても、巨人にとっても必要なこと」と言葉に力を込めた。

 今年のドラフトでは、即戦力として中大・沢村を指名。今季V逸の原因の1つとなった先発陣の補強を第一に考えた。V奪回、そして「常勝巨人」の基盤を築くために、今後も投手陣に若い力を加えていくことは必要不可欠になる。現在21歳の右腕は、スカウト陣もドラフト1位候補に挙がっていることを公言しているほどの逸材。だからこそ、影響力のある「巨人・原監督」としてはあえてラブコールは封印した。この日2人で交わした言葉は、わずかだった様子。「伯父」としてのコメントに終始したが、その笑みには、間違いなく大きな期待が込められていた。【佐竹実】