楽天ドラフト育成1位、聖光学院(福島)の八百板卓丸外野手(17)が20日、福島・伊達市内の同校で指名あいさつを受け、同市内で入団交渉を行った。支度金200万円、年俸240万円(いずれも推定)で契約合意した。昨冬の1日2000スイングなどで体力が向上し、走攻守3拍子そろい夏の甲子園8強入りに貢献。夢のプロ野球選手となり、3年以内の支配下選手登録を目指す。

 努力を積み重ねてきた17歳が、実感を込めた。「本当にプロに行くんだな」。育成契約で厳しい道を進むのは知っている。それでも小学1年から夢見てきたプロ野球選手。八百板が楽天入団で現実にした。

 聖光学院・斎藤智也監督(51)は「2年まで完全なレギュラーじゃなかった。ひと冬越して体力を伸ばし、(数値は)断トツ」と明かした。昨冬「体全体を使って」(八百板)、毎日2000スイングした。フルスイングを続けることで、ベンチプレスは110キロ、握力65キロ、背筋力は270キロにアップした。体力向上に同監督は「プロに到達するレベル」と判断。夏の甲子園終了後から大学進学は考えず、進路を1本に絞った。

 左打ちの1番打者として夏の福島大会5割4分2厘、甲子園5割3分3厘と高い打率を残した。50メートル6秒0の俊足と、甲子園4試合無失策など守備範囲も広い。楽天上岡スカウトは「持っているポテンシャル、基礎体力の高さはプロでもトップクラスになれる素材」と大きな期待をかけた。

 聖光学院OBで、早大から昨年のドラフト6位で楽天に入団した横山投手との対面を八百板は希望した。ポジションは違うが「プロの厳しさとか教えてもらいたい」。支配下選手登録には「できれば3年以内に。球団の顔になれるよう、もっと努力したい」と言った。高校時代と変わらない前向きな姿勢で、プロの世界へ飛び込む。【久野朗】

 ◆八百板卓丸(やおいた・たくまる)1997年(平9)1月17日、福島市生まれ。鎌田小1年で野球を始める。福島三中ではのだまクラブに所属し投手、内野手で3年時に全国大会出場。聖光学院では2年秋からベンチ入り。家族は両親と聖光学院OBの1歳上の兄。兄の名前は野球漫画「巨人の星」の主人公・星飛雄馬から「飛馬(ひゅうま)」。卓丸は元巨人投手の江川卓氏の「卓」と白球を表す「丸」から。182センチ、78キロ。右投げ左打ち。