闘将の背中を追うぞ!

 阪神ドラフト4位のホンダ鈴鹿・守屋功輝投手(21)が24日、三重・鈴鹿市の同社で仮契約を行った。契約金5000万円、年俸840万円(金額は推定)でサインすると「気持ちでバッターに向かっていく」と自らをセールス。03年に阪神をリーグ制覇に導いた星野仙一元監督の姿を思い返し、スタイル継承を誓った。

 「オーラがある方だなという印象です。ずっと阪神を見ていて、リーグ優勝の翌年に野球を始めました」

 星野元監督と同じ岡山・倉敷市の出身。現役時代こそ知らないが「打倒巨人」で立ち向かう闘将をテレビで見つめてきた。伝統の一戦は「立ってみたい」と話す憧れの舞台。G倒にも胸が躍る。小学生のころ倉敷キャンプへ足を運び、郷土の大先輩が放つオーラに圧倒された。母校倉敷工から星野仙一記念館は1キロ圏内。倉敷で野球をする限り、意識せずにはいられなかった。

 「1軍で使ってもらえるのなら、どこでもやりたいです。ストレートと分かっていても空振りを取れるストレートを磨きたい」

 サイドスローから投じる直球は最速148キロ。熊野スカウトが「(プロ野球)全体を見渡してもいないタイプ」とうなる、隠れた逸材だ。阪神監督就任時に「火の玉のごとく戦う男を育てたい」と語った星野元監督。時を経て「仙一魂」を受け継ぐ右腕が現れた。【松本航】

 ◆守屋功輝(もりや・こうき)1993年(平5)11月25日、岡山県生まれ。倉敷工では2年秋からエース。甲子園出場なし。ホンダ鈴鹿1年目から公式戦に登板。11月2日の日本選手権・明治安田生命戦にも救援登板した。