夢は虎初のトリプルスリー!

 阪神にドラフト3位指名された駒大・江越大賀外野手(21=長崎海星)が27日、都内のホテルで入団交渉を行い、契約金6000万円、年俸1000万で仮契約を結んだ。走攻守3拍子そろったスラッガーは、究極の目標として球界でも8人しか達成していない「打率3割、30発、30盗塁」を掲げた。(金額は推定)

 江越はスラスラとマジックを走らせた。「3割

 30本

 30盗塁」。自らしたためた色紙を手に、白い歯をこぼした。

 「将来的に3割、30本、30盗塁ができるような選手になりたい。3拍子そろった選手として自分の持っているものを出していきたい。3割はまだ自信ないですけど…。長打力と盗塁には自信あります」

 狙うは日本球界でまだ8人しか達成していないトリプルスリーだ。フラッシュを浴びながら会見で堂々と宣言した。右打者では別当薫氏や中西太氏(日刊スポーツ評論家)らが達成。今季までソフトバンクを指揮した秋山幸二氏が89年に成し遂げて以来、出てない。次の達成者へ-。江越がその名を刻むつもりだ。

 担当した中尾スカウトも「当然それ(トリプルスリー)を狙えるだけのスケールの大きな選手。足、肩は申し分ない。ゴールデングラブ賞も狙える。パンチ力も当たればだけど、ある」と太鼓判を押した。長崎海星時代は通算26本塁打。大学では1年春にバックスクリーン弾を放つなど11本塁打をマークした。50メートル5秒8と快足も兼ね備える。遠投120メートルを超える強肩。申し分ない身体能力の高さを生まれながらに持っている。

 理想とするのは巨人長野。「今まで目標にしてきました。YouTubeなどで動画を見たりしました」と研究も怠らない。1年目の10年から1軍の第一線で活躍を続けている長野も、走攻守と3拍子そろった外野手だ。憧れ続けた選手像を自らも体現していく。

 新井兄弟と同じ駒大で1年春から東都リーグに出場。3年春から4番に座った。大学最後の秋にリーグ優勝、明治神宮大会も優勝と頂点に立ち、タテジマに袖を通す。

 「プロの投手はみんないい。誰というのはないですけど、対戦が楽しみです」。夢の実現へ、突っ走る。【宮崎えり子】<江越大賀(えごし・たいが)アラカルト>

 ◆生まれ

 1993年(平5)3月12日、長崎県南島原市。

 ◆球歴

 小学2年からソフトボールで始め、中学は軟式。長崎海星では投手兼外野手。3年夏は県大会決勝で敗退。高校通算26本塁打。

 ◆実績

 駒大では1年春から東都大学リーグに出場。3年春から4番。4年秋は打率3割5分7厘、2本塁打で26季ぶりのリーグ優勝、神宮大会では5度目の優勝に貢献。大学通算11本塁打。3年時に大学日本代表に選出され、日米大学野球選手権に出場。

 ◆大賀の由来

 本人いわく「父が大工なんで、大は土台のしっかりした人間に。賀はみんなに祝ってもらえるようにということ」。

 ◆趣味

 音楽鑑賞。洋楽。休みの日は「ひたすら寝る」。

 ◆足と肩

 50メートル5秒8、遠投120メートル。

 ◆サイズ・タイプ

 182センチ、83キロ。右投げ右打ち。