打撃コーチ兼任の中日立浪和義内野手(39)が5日、来季限りで現役を引退する決意を明かした。名古屋市内の球団で契約更改交渉を行い、2000万円ダウンの年俸8000万円でサイン。今季は代打の切り札として思うような活躍ができず「来年は最後のつもりでやる。腹の中では決まっている」と明かした。来季はミスター・ドラゴンズの集大成となる。

 約30分の交渉を終えた立浪は「1年で終わろうという決意でいます」と真剣な表情で明かした。コーチ兼任となった今季代打の切り札で起用されたが、73打数15安打の打率2割5厘、10打点だった。コーチ料を含め2000万円の大幅ダウンにも納得した。「兼任になったことは関係ないが正直、力がなくなったのかな。辞めようかなと思った時期もあった。いろいろ考えて出した結論が、もう1年やるということだった」と説明した。

 今季限りの現役引退も考えた。だが、不完全燃焼で終わりたくない気持ちから現役続行を球団、落合監督に直訴し、認められていた。この日の交渉で話題になったのは、来季以降の進退。伊藤球団代表からは一任され、落合監督も本人に任せる意向だという。引退は100%かと問われた立浪は「自分の中ではそう決めています」と言葉を濁さず断言した。

 西川球団社長は立浪の決意を伝え聞くと、「いつかはそういう時が来ると本人もわかっていただろう。そういうことは本人に任せている」と話した。球団内では来季から3年契約を結んだ落合監督の後継者として期待が高く、現役引退後は「ポスト落合」として指導者として専念することになりそう。「最後の力を振り絞りたい。みなさんの期待に応えたい」。プロ21年間、中日一筋のミスタードラコンズが、来季すべてを出し尽くす。