侍ジャパンの4番候補、日本ハム中田翔内野手(27)が8日、沖縄・国頭キャンプで左手首の痛みを訴え、打撃練習を回避した。3月のWBC日本代表に選ばれており、ハイペースなバットの振り込みで疲労がたまった影響とみられる。現状では病院に行く予定のない軽症で、チームメートの大谷が右足首痛でWBC不参加になっただけに、大事を取って“休息”を優先した。

 沖縄・国頭キャンプ第2クール2日目、朝から中田の表情が優れなかった。サポーターが巻かれた左手首をさすりながら「今日は打たない」と宣言。キャッチボールや守備練習などは行ったが、今キャンプで初めてバットを振ることなく終えた。「痛みがなかったら打ってる」。練習したい気持ちを抑え、大事を取って痛みの軽減を優先した。

 WBCが控える中、冷静な対処だった。「手首(の痛み)はずっと俺、持ってるからね」と慢性的な症状だという。キャンプ序盤で「この時期にこんな出たことはない」と口にするが、早急に病院に行く予定はない。福田巡回チーフトレーナーによると痛みを抱えているのは左尺骨。「振り過ぎて疲労がたまっている」と説明した。

 キャンプ初日からフリー打撃やロングティーなど、長時間バットを振り続けてきた。室内練習場での夜間練習も敢行。前日7日にはティー打撃約30スイング、フリー打撃約140スイングと打ち込んだ。その際も手首を気にするそぶりを見せていたが、練習後にスイング数を聞き「少ないな」と話すほど、量をこなして追い込んできた。全ては世界一奪還を目指すWBCのため。「選んでもらったからにはしっかり貢献したいなという気持ちが強いので」と燃えている。

 大谷のWBC不参加を残念がっていたが、その分、自らのバットで日本を勝利に導く覚悟がある。「無理して俺まで辞退ってなったらしょうもないからね」と前を向く。ウエートトレーニングでは両手でダンベルを持つなど、大事には至っていない様子。「明日(9日)は状態を見て。軽くでもフリー打撃ができる状態になればいい。打てそうだったら打つ」と力を込めていた。【保坂果那】