台湾プロ野球選抜の至宝、王柏融外野手(23)が則本から衝撃の逆転2ランを放った。1点勝ち越された直後の3回1死一塁、スライダーをバックスクリーンにたたき込んだ。「うれしい気持ちしかない。日本を代表するピッチャーからホームランを打つことは難しい」と感激した。

 プロ2年目だった昨季の台湾リーグで、史上初の200安打を記録し、史上最高打率となる4割1分4厘をマークした。29本塁打、105打点で、MVPを獲得。新人王、首位打者、最多安打、ゴールデングラブ賞、ベストナインを含めてリーグ6冠に輝いた。所属チームのラミゴがWBCへの選手派遣を拒み、WBC台湾代表からは外れた。本番の大会には出ないことが、侍ジャパンにとっては何よりの朗報だ。

 王は1回無死一、三塁からの第1打席は、右犠飛で先制点を挙げた。第3打席は牧田から左前打、四球後の第5打席は、岡田から右翼線に二塁打を放った。3安打3打点の活躍に、侍ジャパンの小久保監督から「台湾のバッターが非常に振れていた。特に3番バッターの王」と絶賛された。

 台湾での異名は「大王」。大リーグ公式サイトで特集された経験があり、近い将来、日本にとってさらに脅威の打者に成長しているかもしれない。

 ◆王柏融(ワン・ボーロン)1993年9月9日、台湾・屏東県生まれ。中国文化大在学中の14年にU21W杯優勝に貢献。15年ドラフト1位でラミゴに入団し同年デビュー。初のフルシーズンとなった16年はリーグ初の200安打、歴代最高打率4割1分4厘、29本塁打、105打点、24盗塁をマークしMVPなど6冠。181センチ、90キロ。右投げ左打ち。