井岡一翔(26=井岡)が「梅パワー」で3階級制覇を実現する。WBA世界フライ級王者フアンカルロス・レベコ(31)との世界戦は明日22日、大阪府立体育会館でゴング。20日は大阪市内で予備検診に臨み、身長で8・3センチ、リーチも4・2センチ王者を上回った。疲労回復のため今回は梅肉エキスを摂取し、減量も順調。2度目となる3階級制覇挑戦へ、体調は万全だ。

 いつもと同じように、落ち着き払っていた。世界戦前恒例の予備検診を終えた井岡は、表情ひとつ崩さない。「ここまで問題なく来てる。かなりいい仕上がり」。淡々と状態の良さを口にした。

 世界戦も通算10戦目。大一番に向けて体調を整えるため、父一法会長(47)が厳選するサプリを練習前後に摂取するのが“日課”だ。今回、頻繁に口にしたのは「梅肉エキス」。その酸っぱさで唾液が分泌され、喉が渇く減量中の苦しさが軽減。脳も刺激され、唾液に含まれる消化酵素アミラーゼが、疲労も抑えてくれるという優れものだ。これまでも梅干しを試合前に口にしていたが、成分が凝縮されたエキスは、より効果的。酸っぱさで、スパッと勝つ体調を作り上げた。

 相手のレベコに比べて、身長は8・3センチ、リーチも4・2センチ上回った。昨年5月にプロ初黒星を喫したアムナト戦は8・8センチ劣ったリーチ差で苦しんだが、今回は体格面でも優位に立つ。フライ級に階級を上げて4戦目で、数値に表れない体の変化もある。一法会長は「背中の肩甲骨部分とか、大きくなってる」と成長に目を細める。

 3階級制覇を達成すれば、陣営がIBF同級王者アムナトとの統一戦に動くことが判明している。「挑戦状をたたきつけますよ」と一法会長。関係者によると、因縁のアムナトは22日の試合観戦に来日する可能性もあるという。「やり残したことなく、やってきた。自信を持って挑みたい」と井岡。8度防衛中の安定王者レベコ戦を、通過点にするつもりだ。【木村有三】