ボクシングのWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(6日、東京・大田区総合体育)の予備検診が4日、都内で行われた。

 同級王者田口良一(28=ワタナベ)は検診後の写真撮影で相手と向き合い、にらみ合った。2階級制覇を狙う同級14位クワンタイ・シスモーゼン(30=タイ)に「目力があった。ボクは見てただけ」と笑わせた。

 視力は前回右0・7、左0・5が、両方1・2に大幅アップした。「カンで答えを言ったら次々当たった。自己最高タイでうれしい。分からないと言った方がよかったですか」。王者になっても初々しく、天然っぽいキャラを発揮する。

 身長では7・5センチ、リーチで6・5センチ上回ったが「予想と一緒。なんてことない」と慎重な答え。試合のことには真剣な表情になった。王座獲得時はKOを逃して喜びより悔しさを見せた。初防衛戦は内容よりも勝つことが最優先だ。

 KO勝率は49%というハードパンチャーが相手となる。「パンチ力は向こうが上。慎重に、集中していく。上回っているスピードで勝ちたい。KOは結果で意識しない」と話した。

 今回は紫に金ラインのトランクスを新調した。貼りつけるスポンサーは10に倍増し、シューズは長年バイトしたカフェのプロントから提供された。黒地に店のカラーの緑ライン入り。「応援してくれる人に勝利が恩返し。もっと稼ぎたいし」と話す。

 祝勝会続きで、2月には体重が自己最高の57キロまで増えた。減量は1週間早く1カ月前から始めたが「順調。後悔はしてない」。もっとおいしい思いをするために必勝を期した。【河合香】