国際ボクシング連盟(IBF)世界ライトフライ級8位の八重樫東(32=大橋)が同級王者ハビエル・メンドサ(24=メキシコ)を3-0判定で破り、日本人3人目となる3階級制覇を達成した。

 激闘を物語るように両目がふさがった状態で「途中でだめかなとも思った。でもここであきらめなければチャンスがくると思って踏ん張りました」。3階級制覇に関しては「あくまでおまけです。強い選手と戦うことがボクサーとしての喜びなので」と話した。

 試合はサウスポーのメンドサに対し、八重樫がスピードと手数で対抗。序盤から両者ともにボディを中心に果敢に打ち合った。3回には八重樫が接近戦での連打からタイミング良く右フックをボディに決め、観衆を沸かせた。中盤以降、強打のメンドサも逆襲。7回には八重樫がコーナーに追い込まれ、連打にさらされる危ない場面もあった。終盤に入っても両者は一歩も引かず、接近戦で最後まで壮絶に殴り合った。最終12回を終えると、勝利を確信し左手を突き上げた。最後は判定の末、激闘を制した。

 八重樫は11年10月にWBAミニマム級王座、13年4月にはWBCフライ級王座を獲得。3階級制覇に初めて挑んだ14年12月のWBCライトフライ級王座決定戦はKOで敗れており、今回が2度目の3階級制覇挑戦だった。

 ◆日本人の3階級制覇 これまで亀田興毅、井岡一翔の2人が達成。亀田は06年にWBAライトフライ級王座決定戦を制し、09年にWBCフライ級王者内藤に勝利。10年のWBAバンタム級王座決定戦を制し、3階級制覇を達成。井岡は11年にWBCミニマム級王者オーレイドンから王座を奪い、12年にはWBAライトフライ級王座決定戦に勝利。15年4月にWBAフライ級王者レベコに勝利し、3階級を制覇した。八重樫は3階級ともに王者を破っての達成となった。