WBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)が判定3-0で10度目の防衛に成功した。前WBA世界スーパーフライ級王者ソリスに2度のダウンを奪われるなど苦しんだが王者の意地を見せた。

 試合後山中は「2回もダウンして、いいところを見せられずごめんなさい。中盤からは足使って自分のボクシングになってきましたけど…」と振り返った。

 ソリスは前日の計量後、オレンジジュースを飲み「コンディションは最高」と語り、2階級制覇を誓っていたが力及ばなかった。

 防衛回数を長谷川穂積に並ぶ国内歴代3位タイに伸ばした(1位は具志堅用高の13回、2位は内山高志の11回)。戦績は27戦25勝(17KO)2分けとなった。

 ラウンド展開は以下の通り

 1R 山中の右カウンターがソリスをとらえる。

 2R 山中が初めて右フックでダウンを奪う。ソリスも反撃をみせるが山中をとらえきれない。

 3R ソリスの右が山中の顔面にヒット、ダウンを奪い返しラッシュ。右まぶたを切った山中は防戦。ソリスの右ストレートが再び山中をとらえ2度目のダウンを奪われる。

 4R 攻めるソリス、山中も反撃しソリスの動きが止まる。

 公開採点 ジャッジ37-36、37-36、37-36で山中が有利

 5R 山中、ソリスともに決定打はない。

 6R ソリスがの連打が山中を襲う。山中は距離をとる、力の入った左が空振りしスリップ。終盤山中の左ストレートがソリスをとらえるが決定打にはならず。

 7R 前に出るソリス。山中のボディーを嫌がるソリス。山中の左が効果的に当たる。

 8R 攻め手を休めないソリスだが落ち着きを取り戻した山中がうまくさばく。

 公開採点 ジャッジ77-72、77-72、77-72で山中のポイント

 9R 山中がバランスを崩したソリスに左ストレート、ダウンを奪う。

 10R ソリスにローブローの注意。スタミナが落ちてきたように見えたソリスだが、強烈な右をくり出す。

 11R 山中のワンツー、かいくぐり前に出るソリス。お互い決定打は出ない。

 12R ソリスに疲れが見える。山中に左ストレートが顔面をとらえソリスから鼻血。攻める山中だがKO勝利はならず。

 判定 ジャッジ117-107、117-107、117-107で山中の勝利。

 ◆山中慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀・湖南市生まれ。南京都高1年でボクシングを始め、3年時の国体で優勝。専大ボクシング部で主将。06年1月プロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座、11年11月にWBC世界バンタム級王座獲得。身長171センチの左ボクサーファイター。