RIZINにニューヒーローが誕生した。キックボクシング界の新怪物、那須川天心(18)が、カイオカ・オリージョ(27=米国)に2回1本勝ちした。29日の総合格闘技デビュー戦後に2日後の試合を直訴。無謀とも言える2連戦をKO、1本勝ちと連勝した。18歳の現役高校生はキック、総合と底知れない可能性を見せながら、連勝街道を突っ走る。無差別級トーナメントはミルコ・クロコップ(42=クロアチア)が優勝した。

 18歳にしてキックで伝説をつくった那須川が、総合格闘技界でも衝撃のデビュー2連勝を飾った。29日の試合から中1日。1回に打撃でオリージョを圧倒すると、2回には寝技で勝負を決めた。左フックでぐらつかせ、左腕を首に回して絞め上げた。ゴングからわずか37秒の速攻で試合を決めた。「寝技はとっさに出た。1試合目はKO、2試合目は絞めて勝つことができたので良かった。いい正月が迎えられます」と事もなげに言った。

 小学6年でキックボクシングを始めた。高校1年の7月にプロデビューすると、プロ6戦目、史上最年少16歳でRISEバンタム級王座を戴冠。キックの王座を次々に獲得し、プロ戦績は17戦17勝13KO。格闘技の天才といわれるが、在籍する千葉・松戸南高では、体育が得意なごく普通の高校3年生。プロ選手であるため、午前だけの授業で4年間で卒業予定だ。

 試合後のインタビューで那須川は「RIZINにキック部門つくってほしい。キックと総合と、両方勝って真のチャンピオンになっていきたい」と宣言した。RIZINが欲しかった日本人スーパースターがついに誕生した。【桝田朗】