読者が選ぶ「日刊バトル大賞」のボクシング部門は、前WBA&WBC世界ミニマム級統一王者でWBA世界ライトフライ級2位の井岡一翔(23=井岡)が「3冠」に輝いた。MVPと敢闘賞は2年連続、さらに今年はベストバウト賞も獲得。日本人初の2団体統一王者となった6月の八重樫東戦が、ファンに大きなインパクトを与えた。

 MVPの栄冠は、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太や、WBC世界バンタム級王座を2度防衛した山中慎介を抑えてつかんだ。「このメンバーは今年活躍された方々。恐縮な気持ちと、うれしい気持ちがあります」と、慎重に言葉を選びながら喜んだ。

 井岡の1日のルーティンには、本紙を熟読する時間が入っている。「毎朝バトル面は見てるので親近感があるし、そこで選んでもらえたのがうれしい」と、読者ファンにも感謝した。

 最近、刺激を受けた試合の1つが、元世界6階級王者パッキャオ(33)が、4階級制覇王者マルケス(39)にKO負けした一戦だ。ノンタイトル戦でかつ4度目の顔合わせながら2人合わせて約23億円のファイトマネーが飛び交ったビッグマッチ。「日ごろから節制をやっているからこそ、お互い一流をキープできる。尊敬します」と話した。

 大みそかには2階級制覇を懸けて、WBA世界ライトフライ級王座決定戦に臨む。「しっかり結果を残して『やっぱり最後は井岡一翔だな』と言われるように、すべてを持っていきたいですね」。史上最多となる1日5世界戦が行われる年の瀬も、主役は譲らない。【木村有三】

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、大阪・堺市生まれ。元世界2階級王者井岡弘樹氏のおい。大阪・興国高では史上3人目の高校6冠。08年に東農大を中退してプロ転向。7戦目で世界王座を獲得し、国内最速記録を樹立。164センチの右ボクサーファイター。得意パンチは左フック。家族は両親と弟2人。◆MVPトップ3(1)井岡一翔49%(2)村田諒太32%(3)山中慎介15%◆敢闘賞トップ3(1)井岡一翔27%(2)村田諒太22%(3)西岡利晃15%◆最高試合トップ3(1)井岡vs八重樫53%(2)ドネアvs西岡24%(3)山中vsロハス14%