電通マンが格闘技リングに参戦!

 K-1を主催するFEGの新人トライアウトが2日、都内のジムで開催され、準合格者6人を含む43人が合格した。そのうちの一人、大手広告会社・電通の営業マンで空手の正道会館軽量級王者でもある大渡博之(31)は、異色の「二足のわらじ」で、K-1の大舞台を目指すことになった。

 自身のゼッケン「68番」の合格を告げられると、大渡は期待とも戸惑いとも取れる複雑な笑みを見せた。「通っちゃいましたね」。階級別に行われたこの日のテストではミドル級にエントリー。身体能力を見る基礎的な運動やミット打ちなどで軽快な動きを見せた。最後に行われたスパーリングでは、スピードあふれるキックやパンチを披露。ダウンこそ奪えなかったが、谷川貞治イベントプロデューサー(EP=46)やトライアウトの監督を務めたフランシスコ・フィリオ(37=ブラジル)らから「即戦力として戦える」というお墨付きまでもらった。

 空手歴は12年で、正道会館の大会では軽量級日本王者に4度輝いた実績を持つ。一方で、昼夜を問わない仕事で道場にもなかなか通えないが「会社にグローブを持ち込んで、昼休みとかに同僚とミット打ちをしています」という。31歳でのトライアウト挑戦については「やらずに後悔するよりはいいかなと思って」。楽ではない仕事をしつつ、出場を決意した。

 今後は合格者で行われる試合や合宿を経て、夏には新人戦などを行っていく予定。本業との両立は一筋縄ではいかないが「選ばれた以上は、精いっぱい頑張りたいです」。異色の格闘家がK-1のリングに上がる日もそう遠くはない。【山田大介】