<DREAM:旗揚げ戦>◇15日◇さいたまスーパーアリーナ◇ワンマッチ◇観衆1万9120人
ミルコ、完全復活!
新総合格闘技団体「DREAM」旗揚げ戦でミルコ・クロコップ(33=クロアチア)が1回56秒、水野竜也(26)にKO勝ちした。昨年から参戦した米国総合格闘技団体UFCでは2連敗を喫するなど不調に陥っていたが「第2の故郷」日本で完勝。ファンに復活をアピールした。またメーンの青木真也(24)-J・Z・カルバン(24)戦は、無効試合という灰色決着。課題の残る新団体船出となった。
得意の左ハイキックを披露するまでもない完勝劇だった。予想に反し、開始早々から打ち合ってきた水野に応戦。ミルコは左右の強烈なフックを顔面にさく裂させると、最後は倒れた相手に左パンチを4発お見舞いした。すでに相手の意識はなく、わずか56秒でのKO勝利。「満足している。何より直前で試合を受けてくれた水野選手の勇気をたたえたい」とマイクで話すと、ファンから惜しみない拍手が送られた。
553日ぶりとなる日本のリングに、自身も酔いしれた。入場曲が流れると会場からは割れんばかりの手拍子がわき起こる。ミルコも「第2の故郷」のファンに答えるべく、長い格闘技人生で初めて日の丸が入ったパンツで登場。早すぎるKO決着だっただけに「もう少し、リングという空間でグラウンドの感覚を確かめたかった」と余裕のコメントをしてみせた。
同大会は母国クロアチアでも生中継されており、試合後には家族や知人らから国際電話が殺到。「2つの故郷」から復活を祝福された。
07年から参戦したUFCでまさかの2連敗を喫した。大金を手にした油断に加え、オクタゴンと呼ばれる独特の8角形をした金網リングに慣れないまま試合が組まれ続けた。一時は目標を失い「正直、引退を考えたこともあったね」と振り返る。精神と肉体のバランスが崩れていた昨年10月、96年に負傷した鼻骨手術を決意。「以前は左の鼻の穴が50%ぐらいしか通らなかったけど、楽にになった」と話す。傷ついた体を治すとともに格闘技から距離を置くことで、自身の闘争心が目覚める時を待った。1年半ぶりとなる日本のリングで、その闘争本能が爆発した。
UFCとの契約は完全には切れていないが「今年はDREAMで戦っていきたい。次の相手?
誰でもいいよ」。ミルコの復活劇はまだ始まったばかりだ。【山田大介】

