ヘビー級の日本人対決が実現だ。K-1を主催するFEGは28日、都内で会見を開き、来月13日開催の「K-1

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 2008」(横浜アリーナ)で、武蔵(35=正道会館)と沢屋敷純一(23=チームドラゴン)が初対戦することを発表した。長年、K-1日本ヘビー級の看板を背負ってきた男と、将来のスター候補との黄金カード。今年初のK-1は「夢の対決」に注目が集まる。

 第一人者の称号死守か。それとも世代交代か。谷川貞治イベントプロデューサー(EP=46)は「熟考に熟考を重ね、現在考え得る最高の試合を提供した」と説明。2日前に相手を聞いたという武蔵は「6月のジャパンGPで対戦の可能性はあると思っていたけど。決まった以上、勝つことしか考えない」。沢屋敷も「ちょっと早いという気がしたけど、いずれはやると思っていた」と話した。

 主催者側は当初、重量級ボクサーのパイオニアとして活躍した元東洋太平洋クルーザー級王者西島洋介(34=高田道場)を武蔵に当てる予定だった。だが、西島が調整不足で出場を見合わせたことで、2人の対戦が実現した。急な展開だったが、谷川EPは「両陣営とも嫌だという反応はなかった」と振り返った。

 すでに両者は戦闘モードに突入している。近年で最も体調がいいという武蔵は「相手のカウンターは要注意だが、カウンターをカウンターで返したい」と、人気漫画「あしたのジョー」のウルフ金串ばりのダブルクロスをほのめかすなどトークも「絶口調」。一方の沢屋敷も「(武蔵は)状況で戦術を変えられる選手。速いテンポを心掛けて、相手のペースを崩したい」と意気込んだ。

 ベルナール・アッカ(35=コートジボワール)を3回1分26秒、左フックでKO勝ちした武蔵は、そのままの勢いでKO勝ちを狙う。1回1分29秒、ピーターアーツ(37=オランダ)にKO負けした沢屋敷は、その試合の反省点を十分研究して挑む。「世界と戦うサムライ」武蔵か、「若き大和魂」沢屋敷か。ヘビー級日本一の座をかけた戦いが、ついに実現する。【塩谷正人】