WBA世界ライト級7位の小堀佑介(26=角海老宝石)が世界を取って「不審者」の汚名をそそぐ。同級王者のホセ・アルファロ(ニカラグア)戦(19日、東京・ディファ有明)を前に14日、都内で予備検診を受けた。先日、都内のジムの近所で、警察から職務質問を受けた。世界挑戦前にもかかわらず、自らの知名度の低さを痛感。有名になり、プロボクサーとして認識されるためにも、世界王座奪取を狙う。

 世界挑戦のプレッシャーも消え去る衝撃だった。この日の世界戦の予備検診後、小堀は不満そうに口をとがらせた。予備検診の結果が悪かったわけではない。実は、先日、警察から職務質問を受けた。「びっくりしました。自分は怪しいですかね…」と納得できない表情を浮かべた。

 公開スパーリングを終えた12日夕方だった。ジャージー姿で、所属の角海老宝石ジム(東京・大塚)そばの商店街を歩いている時、パトカーと擦れ違った。するとパトカーは突然止まった。車の中から警察官が飛び出し「お兄ちゃん、職質だ」と声を掛けられた。練習後のつかの間の休息時間だったが、世界挑戦を目前に控えた鋭い眼光が目に留まったのか…リラックスムードは吹っ飛んだ。

 日本王座を6度も防衛した。「オレは実績のあるプロボクサーだ」と心の中で叫んでみた。怒りと悔しさがこみ上げたが、冷静さを取り戻し「(角海老宝石)ジムで写真を見てください」と警察官に言ったという。自分の知名度のなさを痛感する出来事だった。

 「世界王者になって名前を売りたい。警察官にもボクサーとして認識してもらわないと」。WBC世界フライ級王者内藤大助は昨年10月の亀田大毅戦後、一躍時の人になった。世界王者になれば、知名度がぐっと高まることは間違いない。それでも、小堀は「内藤さんみたいに有名になり過ぎても困りますね。エロビデオを借りられなくなりますから。そこそこ有名になれれば」。

 この日の予備検診では、世界王者アルファロと初対面した。前日の王者のスパーは昼寝の寝坊で見逃したが、スピード不足など、王者の弱点は耳に入った。減量も順調だ。リングで高々とベルトを掲げる姿を見れば、お巡りさんも「不審者」とは2度と間違えないはずだ。【田口潤】