04年アテネ五輪柔道男子90キロ級銀メダリストで北京五輪同級にも出場した泉浩(26=旭化成)が、プロ格闘家に転向する意向であることが29日、分かった。泉に近い関係者らが明かした。現在、総合格闘技団体「戦極」と最終的な交渉をしている。プロ転向が正式決定すれば、来月16日の講道館杯終了後にも全日本柔道連盟(全柔連)に「強化選手辞退届」を提出する見込みで、早ければ来年1月4日にさいたまスーパーアリーナで開催される「戦極」新春イベントでプロデビューする。

 柔道の五輪メダリストがまた1人、総合格闘技界に参戦する可能性が高くなった。関係者によると、泉は29日までにプロ格闘家転向の意志を固めたという。2回戦で敗退した今年8月の北京五輪後、関係者に総合格闘技の世界に興味があることを示唆していた。4年後のロンドン五輪は30歳ということもあり、新たな挑戦に傾いたようだ。

 現在は「戦極」と最終的な交渉に入っている。同団体にはバルセロナ五輪78キロ級金メダリスト吉田秀彦(39)やシドニー五輪81キロ級金メダリスト滝本誠(33)らも所属している。特に吉田は世田谷学園、明大の直属の先輩に当たる。関係者は「柔道を終えた後の身の振り方などについて、吉田からたびたびアドバイスを受けたようだ」と話した。

 交渉がまとまり、プロ転向が正式決定した場合、デビューは来年1月4日に開催される戦極のニューイヤーイベントが濃厚。同大会には吉田の参戦も有力視されるほか、ライト級とミドル級の初代王座をかけたタイトル戦も開催予定。今月からテレビ東京で帯番組も始まった同団体にとっては威信をかけた大会で、泉はその目玉候補となる可能性が高い。

 順調にいけばエントリーしている来月16日の講道館杯終了後にも全柔連に「強化選手辞退届」を提出予定で、手続きが完了した後にプロ転向を正式に表明することになりそうだ。