K-1ファイター佐藤嘉洋(28=フルキャスト)が、今年限りの引退を表明した魔裟斗(30=シルバーウルフ)にかみついた。6日、名古屋市内で記者会見し、21日開幕の「K-1

 WORLD

 MAX

 世界一決定トーナメント」(福岡・マリンメッセ福岡)の優勝者と、大みそかの「Dynamite!!」でラストマッチを希望している魔裟斗に対し「失礼だ。ふざけんじゃねーよ」と吐き捨てるように言った。

 我慢ならなかった。佐藤は、大みそかのラストマッチで今年のMAX世界王者との対戦を熱望した魔裟斗をこき下ろした。

 佐藤

 優勝者と対戦したいなんて、トーナメントに出る16人に失礼。今年の王者が彼への挑戦権を賭けた感じになっている。ふざけんじゃねーよ、って感じ。08年王者(魔裟斗)より09年の王者の方がよっぽど偉い。(魔裟斗は)過去の王者なんですよ。

 引退の予感はあった。昨年の「Dynamite!!」打ち上げパーティーで「来年は首を取りにいくのでお願いします」とあいさつすると、「オレやんないよ。プロデューサーになるから」とかわされたという。「優しい目をしていた。発表の時は『やっぱりな』って感じ」と振り返った。

 昨年10月1日の世界一決定トーナメント準決勝では、ダウンを奪うも延長戦の末に判定で涙をのんだ。「10月1日で時間が止まっている。もう1回、針を動かしたい」。その言動には納得できないものを感じつつ、K-1のエースとして君臨した男との2度目の対戦を熱望した。

 佐藤

 今年は絶対に優勝すると心に決めている。12月23日にジムの20周年興行で試合の予定があるけど、「僕は今年の王者ですよ。過去の王者、やってあげましょうか」って言います。そうでないと、MAXは「魔裟斗で始まり魔裟斗で終わる」になっちゃうから。

 21日の1回戦ではドラゴ(24=アルメニア)と対戦。大みそかに魔裟斗を「挑戦者」として迎えるべく、佐藤が燃えている。【浜本卓也】