11日の世界戦(東京ビッグサイト)の前日計量と調印式が10日、都内で行われた。WBA世界スーパーバンタム級10位細野悟(26=大橋)は55・3キロでパスした。ニット帽、マスク姿で覆われた顔からのぞく細野の両目が、師匠の言葉に反応してギラリと光った。調印式の席上、横に座った大橋会長に敵討ちを頼まれた。激突する王者プーンサワットのトレーナー、ポーンサワン・ラムファー氏が同会長から93年2月、WBA世界ミニマム級王座を奪ったチャナ・ポーパオイン(タイ)のトレーナーであることを知らされた。「今日、初めて聞きました。いっそう気合が入った。5回以内にKOします」と細野。謙虚な男が師匠のため、堂々と予告KOを宣言した。

 ポーンサワン氏は約40年前から何度も来日経験があり、妻も日本人。現地では「ガオ・トウキョー」と言われるほどの日本通だ。実力も含めて王者は強敵だが、細野は17年前の大橋会長の悔しさを晴らすため「すごく興奮している。必ず倒します」と発奮材料にしていた。