【米ラスベガス4日(日本時間5日)=藤中栄二】UFC初参戦の山本“KID”徳郁(33=Krazy

 Bee)が、出場順昇格とライブ中継をダブルでつかみ取った。今日5日(同6日)、UFC126大会(マンダレイベイ・コンベンションセンター)でデミトリアス・ジョンソン(24=米国)戦に臨む。同カードは急きょ第3試合から第4試合に昇格し、インターネット生中継も電撃決定。まだオクタゴン(金網)デビュー前だが、UFC関係者の高評価を追い風に注目度を高めた。

 淡々とした表情で、山本は計量を終えた。試合会場での公開計量には2000人以上の観客が集結。壇上に上がる前から大歓声に包まれたが、本人はマイペースを貫いた。61・2キロで一発パスし、対戦するジョンソンと握手を交わす余裕もあった。

 山本

 落ち着いて普段通りに動けたら。落ち着いているんだけど、今も。本当に楽しみだね。

 短い言葉を続け、冷静さを失うことはなかった。

 UFC関係者の評価がUFCファンの山本に対する期待感を高めた。計量前イベントで、UFCに吸収されたWECのフェザー級王座を5度防衛したユライア・フェイバー(31=米国)が山本を絶賛。「カリフォルニアKID」の愛称で全米で人気のある格闘家が「日本人で知っているのはKIDだけ。自分が対戦したい選手。もし組まれたら歴史に残る試合になる」と褒めちぎった。UFCダナ・ホワイト社長(41)による「KID戦が楽しみ」とのコメントも後押しした。

 その注目の高さを裏付けるように急きょ試合順も変更された。第3試合から第4試合に昇格し、UFC公式サイトからアクセスできるSNS「フェースブック」での生中継も決定。UFC広報は「好カードの126大会の中でKID戦も良い試合として決まった」と明かした。平均50万人の視聴数を誇るフェースブックのデビュー戦生中継は破格の待遇となる。「今まで日本でやってきたことを米国ですべて出す」と山本は日本流を貫く構えだ。舞台はリングからオクタゴンに変わるが、日本の代表としてUFCに殴り込む。