WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(34=帝拳)がボクシングの聖地で日本人世界王者の最高齢防衛記録更新を狙う。4月にV6防衛に成功した西岡は4日、都内の帝拳ジムでジムワークを開始。10月初旬、米ラスベガスで日本人として初めて防衛戦(V7戦)に臨むことが内定した。今月25日に35歳となる西岡は、内藤大助が保持する34歳8カ月の歴代1位を抜く、日本人最高齢での王座防衛を目指す。挑戦者も今月中に決定する見通しだ。

 誰もがあこがれる夢舞台でのV7戦に、西岡は心躍らせていた。02年12月、06年11月と過去2度、ノンタイトル戦で経験しているラスベガスのリングだが、防衛戦となれば日本人として初の快挙。「小さいころからテレビで見ていた世界最高峰の場所。日本人としてラスベガスで防衛戦をした人はいないし、本当にワクワクしている」と、声のトーンを上げた。

 快挙は他にもある。今月25日が誕生日の西岡はV7戦を35歳2カ月で迎える。防衛に成功すれば日本人の最高齢防衛記録となる内藤大助(宮田)の34歳8カ月を大きく更新するが、西岡はその先を見ている。

 西岡

 その記録を目標にしていない。ただ世界王者の年齢も上がり40歳代でも活躍している王者がいる。自分自身で何かが衰えたり、ごまかして練習しているのであれば、すぐに引退する。今は技術も向上しているし、100%のボクシングをやっていく。

 年齢に関係なく、納得した練習をこなしているからこそ、強敵を求める。挑戦者は元世界2階級制覇王者ラファエル・マルケス(メキシコ)らビッグネームが候補。西岡は「名前があるほど燃える。自分は海外の試合の方がリラックスしてできる。気持ちが高揚しますね」と正式決定を待ち望んでいた。【藤中栄二】