<仙台女子「悲恋引退~年内最終LIVE」>◇8日◇宮城・Zepp

 Sendai

 引退試合を迎えた悲恋(25)が、涙で仙女の5年間に幕を引いた。尾崎魔弓(43)とのタッグで、里村明衣子(31)水波綾(23)組と対戦。超満員の「悲恋」コールを浴びながら、得意のドロップキックや、アンクルホールドを披露。猛攻に耐えて耐えて沸かせた。最後は力尽きたが「精いっぱい戦えました」。感謝の涙でテンカウントを迎えた。

 万感のラストファイトだった。05年12月、19歳だった金子友里恵(本名)は単身で東京から仙台へ弟子入りした。練習生時代から師匠里村の指導を受け、水波とは3年近く寮で同部屋だった。その2人が最後の相手。ヒールの武者修行を積んだOZの尾崎と組み、集大成のリングで躍動した。

 5年4カ月のバトル人生だった。06年7月9日の旗揚げ戦でデビュー。ヒール転向後の08年10月に初勝利を挙げ、10年9月に初戴冠となるJWPジュニア&POP王座に輝いた。

 惜しまれながらマットに別れを告げる。09年12月の試合で胸椎を圧迫骨折。4カ月後に復帰したが、いまだに残る痛みと恐怖にさいなまれ、引退を決意した。「支えてくれた多くの人に感謝し」今後は東京で第2の人生を歩む。【木下淳】