<プロボクシング:全日本新人王決勝戦ウエルター級5回戦>◇21日◇東京・後楽園ホール

 別府優樹(23=久留米櫛間)が松永宏信(横浜光)との無敗対決を制し、MVPを獲得した。初回に左フックでダウンを奪うと、2回のゴングと同時に猛烈な連打。同回32秒にKO勝ちした。デビューから8戦連続のKO勝利で、頂点に立った。

 「九州のタイソン」の異名を持つ別府が、強引に攻め抜いた。初回にダウンを奪って迎えた2回。ゴングと同時に強引に圧力をかけた。右フックで2度目のダウンを奪うと、そのまま一気の連打で仕留めた。12年のデビュー戦から8戦連続のKO勝ちに「自分にはその勝ち方しかない。何でもいいからパンチを当てようと思った」と照れた。

 宮崎の都城東高3年時にインターハイ3位も、専大では腰のヘルニアが悪化。1年終了時に退学し、地元宮崎に戻った。だが1年間のリハビリを経て「やっぱりやりたくなった」とパチンコ店でアルバイトをしながらプロの道を選んだ。

 最大の武器は、小学生のころから独学で続けた筋トレで作り上げた、ベンチプレス130キロを上げる怪力だ。ジム初の新人王に輝いたパワーファイターは「いつかは日本王者とベルトをかけて戦いたい。KO記録は最低でも2ケタを目指したい」と力強く話した。