年末に予定されていたWBC世界フライ級王者内藤大助(宮田)対同級3位亀田興毅(亀田)戦が「消滅危機」に陥った。亀田プロモーション社長亀田史郎氏(43)が11日、内藤陣営との交渉が暗礁に乗り上げていると明かした。両陣営は水面下で交渉、12月23日、東京・両国国技館での開催も内定したが、内藤陣営が握るオプション(興行権)など含め金銭面の条件で対立しているという。

 7月の内藤の世界戦後、亀田がリングに乱入し、挑戦を直訴。亀田は「大みそかはどう。紅白と勝負しようか。元日もええな」と対戦を熱望した。内藤本人も対戦を望み、交渉は順調に進むとみられたが、ネックはやはり金銭面だった。

 ファイトマネーではほぼ合意に達したようだが、問題は興行権。ボクシング界の慣例で、王者の内藤陣営は2つの興行権を握る。亀田が勝った場合でも、その後2試合の権利は、内藤陣営にある。通常は挑戦者が興行権を買い取る条件で話し合いを進めるが、その金額が折り合っていない。

 もっとも両者とも対戦実現への気持ちはあり、今後の歩み寄り次第で急転する可能性は残る。

 知名度の高い2人の対戦という要素も、交渉を複雑化させた。世界戦の場合、通常は興行権を持つ王者陣営主導で進むが、注目度のある亀田サイドは強気を崩さない。史郎氏は「オプションの話し合いがまとまらない。自分も興毅も(内藤と)やりたいが、駄目なら仕方ない」と交渉決裂を示唆。一方の宮田陣営はノーコメントを貫いた。ひとまず夢のビッグマッチは宙に浮く形となった。