新関脇の照ノ富士(23=伊勢ケ浜)の逆転優勝は、惜しくもかなわなかった。1差で追う横綱白鵬(30=宮城野)の直前の取組で、大関豪栄道(28=境川)を力でねじ伏せて13勝目。兄弟子の日馬富士(30)にすべてを託し、支度部屋のテレビで見守った。

 白鵬が勝利すると「フゥ~ッ」と息を吐き「自分のために精いっぱい頑張ってくれた。こっちも力入りました」。右膝負傷で途中休場した安美錦にも触れ「安美関のことがあったから、勝ちにいった。宝関(宝富士)も勝ち越したし、誉関(誉富士)も最後に連敗を止めたし、自分も最後に勝てた。“チーム伊勢ケ浜”として頑張った」と、兄弟子の名前を挙げて感謝した。

 自身初の殊勲賞、先場所に続く敢闘賞のダブル受賞も決まり「うれしい。(悔しさは)あんまりないっす」と晴れ晴れとした表情。一気にブレークした15日間を振り返り「今場所は長かった。(今日は)いくらでも飲む。水でも飲む」と、笑いながら会場から引き揚げた。