大相撲春場所で自身が持つ最多記録を更新する34度目の優勝を決めた横綱白鵬(30=宮城野)が23日、大阪・堺市内のホテルで一夜明け会見を行った。テレビカメラ計11台、約60人の報道陣が詰めかけた席で29分間、初場所後に起こった“舌禍”騒動以後の心境について言及。審判部への批判の真意は語らなかったが、自らの思いが伝わらない悩める胸中を打ち明けた。
-一夜明けて
白鵬 早いような、長いような感じがしましたね。
-今場所は良かった?
白鵬 良かったですねえ。立ち合いで立って離れてからの後の先(ごのせん)というかな。そういう内容も何番かありましたし。相撲内容として1つ2つ、階段を上がっているような感じがしますね。
-稀勢の里戦も後の先?
白鵬 自分の中ではそう思うんだけどね。周りはそう思ってなかったみたいで、ちょっと残念ですね。
-どうやろうとしたのか?
白鵬 そういう風に思われるのはしょうがないですし、変化というのは手がこうなんですね。こうか、こう(左右にはたくジェスチャー)なんです。でも立ったときはこう(右手でいなすような形)ですから。自分の中では変化じゃないと思いますけどね。…だから皆さんにはもうちょっと相撲を勉強してもらいたい。
-優勝36回まであと2回
白鵬 確実に1つ1つ、階段を上がっていきたい。
-審判部批判に納得がいかない部分はまだある?
白鵬 まあ…親方を通じてね、北の湖理事長に、こう…話した上で、終わったことなんで。まあそういった意味で、今場所は相撲だけに集中してやれたと思います。まあその結果というのは、誰が見てもわかるような相撲内容だったし…頑張ったと思います。
-支度部屋では15日間無言。相撲に集中するため?
白鵬 まあそうだよね。やっぱり思いはたくさんありますけど、それが伝わらなかったし…。
-場所中に30歳になった
白鵬 現在関取衆70人。その代表で力士会の会長も務めていますから。そういう意味も含めて1つ、年も取ったなあって。
-自身の連勝を止めた照ノ富士について
白鵬 うちのおやじが見る目があって、鳥取城北に送って、素晴らしい力士をまたつくった現在の伊勢ケ浜部屋。本当にすごいなと思いますね。彼の頑張りがなければ、この大阪場所は盛り上がらなかったんじゃないかと思います。
-これからどんな横綱に?
白鵬 これからのことはまだ何も考えてないですし、「ありのまま」。な~んで、こんな質問多いの。
-思いが伝わらない苦悩。もどかしさは募る?
白鵬 やっぱり、我慢我慢というかね。それがこの大きな結果につながりましたから。まあいずれ、そのときがくれば…また1つね。頑張りたいです。
◆白鵬の審判部批判騒動 初場所の一夜明け会見(1月26日)で自ら「疑惑の相撲が1つあるんですよね」と切り出し、13日目の稀勢の里戦の取り直しについて「子供が見ても分かる相撲」「もう少し緊張感を持ってやってもらいたい。ビデオ判定も元お相撲さんでしょう」と注文。「肌の色は関係ないんですよ」などと続けた。北の湖理事長(元横綱)と伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を通じて厳重注意した。