横綱白鵬(30=宮城野)が2敗を守り、初めて単独首位に立った。早ければ今日14日目にも、史上初の2度目の7連覇で35度目の優勝が決まる。

 白鵬が、ついに頭ひとつ抜け出した。同じ2敗だった魁聖の敗戦を見届けて土俵に上がると、琴奨菊をたやすく転がした。右かちあげで当たり、左に動きながらわずかにまわしに触れての上手投げ。単独首位に立つ11勝目を挙げた。

 前日12日目は、豪栄道の首投げに敗れた。際どい勝負だったが物言いはつかず、直後1分間も控えに座らず、ぼうぜんと立ち尽くした。異例の態度について師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「物言いをつけて欲しかったな、という気持ちがあったんじゃないか」と、横綱の心中を察した。

 今日14日目の稀勢の里戦に勝ち、3敗の3人全員が負ければ7場所連続35度目の優勝は決まる。前日の敗戦を相撲で引きずらなかった白鵬だが、支度部屋では2日続けて報道陣に背を向けた。風呂上がりは険しい顔で舌打ちを連発。駐車場への通路でも無言のまま、鋭い目つきで帰りの車に乗り込んだ。【木村有三】