栃東の次は、3代目若乃花だ! 14勝1敗で初優勝を果たした大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)は春場所で、初めて横綱昇進に挑む。「自分の相撲をやりきったら、できるという自信がついた。頑張っていく」と誓った。

 10年ぶりとなった日本出身力士の優勝は「たまたま、自分がそのときに初優勝しただけ」と静かに受け止めた。だが、綱とりとなると思いがたぎる。ケガもあって成績が振るわなかった時も、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から常々「まだ上があるんだぞ」と叱咤(しった)されてきた。

 和製横綱は、98年名古屋場所で昇進した第66代の3代目若乃花が最後。元若乃花の花田虎上氏はツイッターで「この優勝が新たな人気の起爆剤となり、日本人力士が今後も結果を残す事が重要であり、外国人力士と共に相撲界を盛り上げて行ってくれる事を願います」などとつぶやいた。

 琴奨菊が春場所で成就させれば、初土俵から85場所は昭和以降3位タイのスロー。それは、初優勝の喜びを最初に伝えたいと挙げた1人、先代師匠の元横綱琴桜と並ぶ。「32歳1カ月」も、奇遇にも同じ。

 運命となるか。

 ◆横審横綱推薦の内規

 (1)横綱に推薦する力士は、品格・力量が抜群であること。

 (2)横綱推薦に対しては、横綱審議委員会は大関で2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする。

 (3)第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、全委員の3分の2以上の決議を必要とする。

 (4)品格については、協会の確認に基づき審議する(後略)。