大相撲の元関脇若の里の西岩親方(40)が28日、大阪市生野区の勝山高校で会見し、同高3年の佐竹風汰(18)が初めての内弟子として入門することを発表した。春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査を受検する。親方は現在、田子ノ浦部屋の部屋付きだが「時期は具体的には言えないが、将来的には佐竹を連れて独立を考えている。独立を視野に入れての内弟子入門です」と明かした。

 大阪府平野区出身で空手、柔道経験がある佐竹は、高校進学後に相撲部に入部。相撲部主将を務め、昨年の国体に大阪府代表の選手団として出場した実績を持つ。西岩親方とは2年前に出会い、その場で「親孝行がしたいので、力士になりたい。よろしくお願いします」と申し出たという。その心意気に親方も感銘を受け、快諾。2年立ち、この日の卒業式を待って正式に入門が決まった。

 西岩親方は当時を振り返り「正直、今の高校生で親孝行をしたいと口から出るとは思っていなくて、驚いたと同時に、こういう気持ちがあれば十分やっていけると思いました。会ったその日に入門を決めて、卒業する日を待っていました。私にとって、初めての弟子。楽しみと緊張と、いろんな気持ちで今日を迎えています」と話した。

 小学校時代から相撲をよくテレビで見ていたという佐竹。西岩親方の現役時代を尋ねられて「誰にも負けないくらい力強かった。そのくらい活躍できるように頑張る」と言うと、親方が「模範解答だな」と笑いながら突っ込む一幕も。身長167センチ、体重85キロと小柄だが「石浦関や宇良関は小さくても頑張っている。肩を並べられるくらい強くなりたい。人を湧かせられる相撲を取れるように頑張ります」と意気込んだ。

 内弟子第1号に、西岩親方も「大事なお子さんを預かる。24時間の全てを弟子に注ぐぐらいの気持ちで取り組んでいきたい」と誓い、指導については「師匠(元横綱隆の里の鳴戸親方)の教えが中心になる。師匠の師匠は初代若乃花の二子山親方。二子山親方と鳴戸親方2人の教えに自分の考えをプラスして、初代若乃花の教えの系譜、その路線でやっていきたい」と話した。