大相撲名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)前恒例の奉納土俵入りが29日、参拝客ら約5000人が詰めかけた名古屋市熱田区の熱田神宮で行われ、横綱白鵬(34=宮城野)の土俵入りで西前頭14枚目の人気力士・炎鵬(24=宮城野)が初めて、露払いを務めた。

太刀持ちは同5枚目の宝富士(32=伊勢ケ浜)が務める中、無事に大役を務めた炎鵬は、神前での奉納土俵入りに「不思議な感じでした。本場所は、もっと空気感が違うけど、それに向けてのいいイメージが出来ました」と冷静な口調で話した。約1週間後に迫った初日に向け「しっかり気持ちを切り替えてやります」と引き締めることも忘れなかった。

炎鵬が5月の夏場所で新入幕を果たしたことで、やはり幕内だった石浦(29=宮城野)とともに白鵬が夢に描いていた、弟弟子2人を従えての土俵入りが実現できるはずだった。だが、その白鵬が夏場所をケガのため休場。夢の実現は名古屋場所に持ち越されたが、今度は石浦が十両に陥落したため、2人を従えての土俵入りは秋場所以降に持ち越された。

それでも白鵬は、初めて自分の前を歩く169センチの露払いには「緊張してたみたいだったね。(自分の)前に小さい人がいると違和感があるけど」と笑いながら、うれしそうな表情。「土俵に(幕内土俵入り、横綱土俵入り、取組と)3回、上がると肩の力が抜けていいと思う。自分の相撲に集中すればいい」と思いやっていた。