日本相撲協会は26日の理事会で、年寄阿武松(58=元関脇益荒雄)の年寄音羽山の継承・襲名と、年寄音羽山(37=元前頭大道)の年寄阿武松の継承・襲名を承認。その上で阿武松部屋を継承することを承認した。また名跡交換した音羽山親方の退職も決まった。いずれも9月26日付。

先代の阿武松親方は、理事として審判部の部長を務めていたが、高血圧などの病気を理由に7月の名古屋場所から休場していた。

37歳の若さで部屋を継承した阿武松親方は「(阿武松は)師匠とおかみさんの魂が入った名跡。それに恥じないように、師匠やおかみさんの教えを糧に横綱、大関を育てたい」と引き締まった表情で話した。また「師匠から『協会関係者の皆さまへ、たいへんご迷惑をかけました。長い間、現職中はお世話になりました』とお伝えください」と報道陣を通じて先代の言葉を話した。

部屋継承の意志を伝えられたのは名古屋場所前だったという。8月下旬から先代が力士1人1人に退職の意向を伝え、入退院していたこともあり、稽古場の指導は自分と、同じ部屋付きの不知火親方(35=元小結若荒雄)の2人に任されていたという。

部屋付きだったこれまでは、自宅から部屋に通っていたが、師匠になったことから家族で千葉・習志野市内の部屋に引っ越し、先代一家は退室するという。その引っ越しなど、慌ただしい日々が続きそうだが「厳しい方だったけど(同時に)優しさ、思いやりのある師匠だった。自分もそうしたいと思う。(先代の)やり方で、さらに部屋を大きく飛躍させたいです」と抱負を語った。