大相撲秋場所で優勝次点だった西前頭3枚目妙義龍(35=境川)が、九州場所(14日初日、福岡国際センター)での勝ち越しと三役復帰への意欲を見せた。10日、福岡・大野城市の宿舎で行われた朝稽古後に、報道陣の電話取材に対応。「三役を狙える位置にいるのでチャンス。それに向けて準備するだけですね」と小結だった19年初場所以来の三役返り咲きを見据えた。

この日は、平幕の佐田の海と新十両の平戸海らと申し合い稽古を行い、20番ほど相撲を取ったという。「先場所が終わってから体作りが始まって、番付発表から相撲を取っている。大体、場所寸前まで相撲を取るのでいつもと変わらずです」と調整は順調のようだ。

10月に35歳の誕生日を迎えるなど、ベテランと呼ばれる域に達しているが「特に変わったことはない。基礎をおろそかにしないようにはしている」とどっしりと構えた。

ただ、老け込むつもりは全くない。報道陣から「ベテラン」と言われると、すかさず「ベテランって言うのやめてもらっていいですか。ベテランの気持ちじゃないです全然。若々しく」と笑いながら否定。「スピード感ある流れが自分の武器。スピード感がなくなったらもう駄目。そんな気持ちです」という。

今年は春場所、夏場所、名古屋場所と3場所連続負け越しを経験した。西前頭10枚目と幕内下位で臨んだ秋場所では「不安な気持ちはありました」というが、11勝で優勝争いに絡むなど存在感を示した。「先場所11番勝って、まだ体元気やと。よしっていう気持ちに気づけた」と大きな自信につかんで臨む1年納めの九州場所。「勝ち越して正月を迎えたいというのはある。上位に戻ってきたので楽しみです」とハツラツとした気持ちで臨む。