世界舞台での復活を決めた瞬間、吉田は、畳を頭にすりつけ体を震わせた。1991年のバルセロナ大会以来、4度目の挑戦で獲得した世界選手権金メダル。「8年間、苦労してきたかいがあった。オヤジパワーを見せました。30歳でも頑張れる」と感慨にひたった。
往年の技の切れ味はない。しかし、勝負勘は研ぎ澄まされていた。フロレスクとの決勝、内また連発でポイントを奪って獲得した勲章は、まさにベテランの味だった。
代表に決まった時、体重は97キロ近くまであったが、ひたむきな練習で90キロまで絞った。「アトランタ五輪後は何度もやめようと思った。外国人にも『まだやっているのか』と言われてきた。苦労して取った金メダルには重みがあるよ」と喜びにひたった。

