12月になりました。ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、今年&テレビ界について振り返ってもらいました。

サイコロの出た目の話題…って、その手には乗らないぜ!(写真は本人提供)
サイコロの出た目の話題…って、その手には乗らないぜ!(写真は本人提供)

 師走です。寒くなって来ました。日刊スポーツの各部署の記者に話を聞いてもらう、この連載。政治記者とかスポーツ記者とか、専門性の強い方と話すことができて、ボクも勉強になりました。

 次は、どんな記者が来るのかと待っていたら、見慣れたお笑い担当記者がやって来ました(笑い)。

 今回のテーマは、って聞くと、えっ?

 秘密兵器を用意してあるって…、これフジテレビの小堺(一機)さんの「いただきます」で使ってるサイコロじゃん。転がせって…そうじゃなくて、師走と言うことで、真面目に今年を振り返ってみましょう。

 ボクからしたら、今年は「よりテレビに向き合った年」と言えるんじゃないかな。「東京のキー局の番組」と「地方局の番組」が、どう違うかを身をもって知りました。今はキー局よりも、地方局に出たい気持ちが強いんです。地方局の方が昔の作り方が残っている。っていうか、まだまだできることが残っている。

 簡単に言っちゃうと、日本のテレビもアメリカっぽくなっているっていうことかな。中央より、ローカルの方が強くなってきている。地方局の番組がネットで話題になって「地方で何をやってるのかな」って知りたくなる。いい連鎖になっていると思う。

 長い間、テレビっていうのは一方的に流れて来るメディアだったけど、それがつまらなくなって、テレビ離れが起きた。そして、今は逆に“テレビを拾いに”いくようになった。

 この話をしている場所は、東京の麹町にあるTOKYO MXの中。バリバリの都心だけど、バリバリの地方局(笑い)。よく大阪の人から「どうやったら、見られるんだ」って聞かれることがある。そして、今はそれが可能な時代になっている。

 このTOKYO MX、MBS、KBS、東海テレビにHTB…僕が、いろいろな企画の打合わせをするのも地方局ばかり。何か新しいこと、面白いことをやろうと考えると、地方局じゃなくちゃできない。地方局のテレビマンが「今だったら、地方発で中央に番組が流れるかも」って、いい機運になっている。逆に東京キー局のテレビマンは視聴率やセクハラ、不倫で告発されるのを気にしたり(笑い)。気の毒だよねぇ。

 まあ、今年は年の初めに極楽とんぼの山本圭壱さんが、8年半ぶりに復活した年でもあるんだけど。山本さんの件、ひとつ取っても、テレビ界の難しさを感じる。キー局だと、大スポンサーの意向を気にしなくちゃいけないから、山本さんの登場は難しい。でも、地方だと、局の中に大きな権限を持っている人がいて、出演が可能になる。山本さんみたいに「腫れ物に触る」扱いをしなくちゃいけないタレントでも、活躍できる場所があるんだよね。これは、とっても健全なことだと思う。使いたい人がいて、そこに呼ばれて、表現できる表現者がいる。

 でも、山本さんのことを通じて限界を感じたこともある。それは、今年7月にフジテレビの「27時間テレビ」に出たときのこと。僕は「山本さんの復活の道筋をつけたいから出てくれ」って言われて「だったら出ます」と。そもそも「27時間テレビ」に興味がないんでね。でも、山本さんが復活するっている流れの中で、ちょっと一役買えるんだったら出たいと思ったわけ。 

 結局、山本さんが出るかも? って、27時間引っ張って、最終的にいい形に落とし込めなかった。今のルールの中で表現できるギリギリのところが、これなんだと思い知らされた。「山本さんのフジテレビでの復帰はないな」と確信しました。その一方で「宮崎サンシャインFM」じゃ、山本さんが「27時間ラジオ」をやっている。あれをやったのは、すげえと思うんですけどね。これが、東京キー局と地方の違いかな…。

 まあ、山本さんも悪いところがあるんですけどね(笑い)。難しいんですよ。

 こんな感じで、来週もテレビ界や芸能界、そしてアイドルについても語るつもりです。

 ※連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」は、ロンドンブーツ1号2号田村淳に、日刊スポーツの各分野の記者がさまざまなテーマで取材し、率直に話してもらう企画です。今回は「今年の振り返り」について、よしもと担当の小谷野俊哉が取材しました。

(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)