歌舞伎俳優松本幸四郎(72)が19日、大阪市内で、ライフワークとも言えるミュージカル「ラ・マンチャの男」(9月2~21日=シアターBRAVA!)の取材会を開き、ヒロインを務める宝塚歌劇団元月組トップスター霧矢大夢(きりや・ひろむ=40)も出席した。

 ドン・キホーテの生涯をミュージカル仕立てにした名作で、松本による上演は、これまで通算1207公演を数えている。

 松本は「22歳の時、大阪で『王様と私』を上演し、ミュージカル俳優としてデビューさせてもらいましたが、そのとき、内海重典さんという宝塚の演出家の方にほめていただいた」。歌舞伎役者からミュージカル俳優の新たな顔を持つきっかけ、自信につながった“原点”に、宝塚との縁があったと明かした。

 今回、相手役に迎える霧矢は、元月組トップで、宝塚在団時から歌唱力、歌の表現力には定評がある。松本は霧矢について「宝塚歌劇団出身の女優さんは歌にしろ、踊りにしろ、お芝居にしても基礎ができていますよね。彼女の個性、魅力を引き出して、お客さまに見ていただきたい。心が熱くなる大阪で、熱いラ・マンチャの男をお見せしたい」と意気込んだ。

 また、アルドンザ役に抜てきされた霧矢は「長年愛され、上演され続けてきた作品であり、いかにすごい役かというのを外側から言われて、今は頭でっかちのような状況になっています」と名作に参戦するがゆえの重圧ものぞかせた。

 ただ、その緊張感をエネルギーに換え「実際にちゃんと体現して爆発させて、私らしいアルドンザが出来ればいいなと、祈っているような状況です」とも話していた。