宙組トップ桜木みなとが、きょう23日、兵庫・宝塚大劇場で宙組公演「黒蜥蜴」「Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)」の初日を迎える。宝塚公演は7月5日まで、東京宝塚劇場は7月25日~9月6日。大劇場は、今春入団した112期生の初舞台公演でもあり、開幕前のインタビューでは、トップ就任から1年への思い、自身の初舞台の思い出、タカラジェンヌとして第1歩を踏み出す後輩への思いにも言及した。
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★独特な世界観
大劇場公演2作目は江戸川乱歩作、三島由紀夫が戯曲化した名作「黒蜥蜴」。名探偵明智小五郎と女賊黒蜥蜴の愛を描く。同作は宝塚でも07年に花組トップ(当時)春野寿美礼主演で描かれたが、今回はより戯曲に忠実で「演出の生田(大和)先生の独特な世界観をエッセンスとして加えてくださっているので、とてもロマンチックであり、耽美(たんび)な世界観が繰り広げられるんじゃないかと思っています」。
黒蜥蜴を演じるトップ娘役春乃さくらと「私の演じる明智がどう駆け引きを繰り広げていくかっていうところが、一番大切になってくるのかなと思いますので、それが緊張感であったり、美学を追究している姿であったり、そういったものが明智として出していけると魅力がつまってくるのかなと、今必死に作っています」と意気込む。
★タイトル通り
一方、竹田悠一郎氏作・演出による「Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)」では、エネルギッシュな作品になりそう。
タイトルの通り「ダイヤモンドがテーマです」と笑いながら、「いろんな場面がある中で、ダイヤモンドの輝きが多彩に彩られていく。竹田先生からは『とにかくギラギラしてください』とおっしゃっていただきました。初舞台生の子はキラキラ担当、私たちはギラギラ担当として輝きを出していきたいなと思います」。
★研10から意識
そのギラギラを意識し始めたのは「研10(入団10年目)」だった。
「ギラギラしたいなとか男役として色気をもっと出したいなとか。お芝居で与えられる役を自分のオーラで見せる。そういうふうに与えられたものの中でというよりは、壊してもっと大きく広げていく意欲がわき始めた。そうしていかないといけないなというのがそれくらいだったかなと思います」
男役10年。男役の技術を身につけるには10年はかかるといわれる。
「当時はそこまで思っていませんでしたけど、『男役10年』と言われている研10になって、『あー、自分、まだ全然できてないや』っていう不安だったり、焦りだったり、芸事に対してもがいている時期でもあったかなと思うので、それがキッカケになってると思います」と振り返る。
★同期皆への愛
一方で、今作の宝塚公演では“キラキラ担当”の112期生が初舞台を踏む。自身は09年に「Amour それは…」で初舞台を踏んだ。
「初日にお客さまの前で初めてパフォーマンスをして拍手をいただいたのが忘れられません」。観客の拍手で、初舞台に向け稽古に明け暮れた日々が報われたことを思い起こし、「『舞台で表現するってこんなにすばらしいことなんだ』と感動した覚えがあって。同時に、同期で最後に立てる舞台でもありますので、同期皆への愛みたいなものもすごく感じましたし、これから続いていくんだなって覚悟…覚悟といってもひよこちゃんだったんですけど、『頑張るぞ』ってその時の自分は思っていました」と懐かしんだ。
集合日に後輩たちからあいさつを受け「すごく未来が楽しみになるなと思いながら姿を見ていました。どんなロケットを見せてくれるか、本当に今から待ち遠しく思っております」と期待した。
★1年無我夢中
昨年4月28日付で宙組トップに就任。1年がたった。「無我夢中で走ってきたので『1年か』という思いです。仲間に支えられて、助けられて今やれているので仲間には感謝しかないです」。宙組の強みを聞かれると、「前作の大劇場公演で『ときめきが大渋滞』というキャッチフレーズを歌わせていただいたのですが、本当にその通り。ときめきとか個性、輝きがいろんな色があって、1色にはならないさまざまな色の豊かな組だなと思います」と自信を見せていた。【阪口孝志】
◆桜木みなと(さくらぎ・みなと) 12月27日生まれ、神奈川・横浜市出身。09年入団。宙組に配属され宙組一筋。25年4月、芹香斗亜の後任としてトップ就任。98年創設の宙組10代目で、初の生え抜きトップ誕生となった。同年6月、東急シアターオーブ公演「ZORRO THE MUSICAL」で春乃さくらとのトップコンビ初主演作上演。身長170センチ。愛称「ずん」。




