熱戦が繰り広げられているセンバツ高校野球と同様、全国からのアイドルが集合した「アイドル甲子園FESTIVAL2016」が21日、東京・新木場のスタジオコーストで開催された。157組のアイドルグループが、私たちこそはと、熱いステージを繰り広げた。AKB48やハロー!プロジェクトなど、アイドルを取材してきた日刊スポーツのアイドル担当、横山慧記者(30)が、2016年大注目のニューフェースを発見。その名は「生ハムと焼うどん」だ。

 ステージ冒頭から、想定外の寸劇が始まった。東理紗(18)西井万理那(18)の2人が登場するや、ベッキー(32)と「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(27)の不倫騒動のパロディーを繰り広げた。

 「映画、『センテンススプリングス~不倫の真相~』が始まるわ」

 「ベッキー! うちら女子は、ベッキーの味方だからね!」

 さらに、「おしりにゴルフボール大のできものがある」と言い西井が急に倒れると、東が客席に向かって「みんなでおならをして、生き返らせてください!」と意味不明な要求。腕に口をくっつけて必死でおならの音を出そうとする観客を指さし、「あのオタク、女子高生2人にもてあそばれているわよ!」と叫び爆笑を誘った。その後「ツイテール」「うんちの歌」「たまごかけごはん」を歌い、元気いっぱいにダンスを披露。約400人の観客たちは熱狂に包まれた。

 本格的な活動開始は昨年3月。まだ1年あまりだが、度胸は十分だ。当時は東京・秋葉原の小さなステージで、3人しか客が来ない日が2カ月も続いたという。「お客さんとの境界線をなくそうと思って始めた」という「客イジり」と、時事ネタと下ネタを交えた寸劇で次第にファンを増やし、今月2日には東京・赤坂BLITZでの単独ライブに1000人を動員した。現在は芸能事務所やレコード会社にも所属していないが、業界の注目度は急上昇中で、水面下ではさまざまなオファーもあるようだ。

 東は「今月でJK(女子高生)は卒業したけど、今後は『常識を覆す』という意味の『JK』を続けます」と宣言。西井は「いつか宇宙でライブがしたい」と笑う。アイドル戦国時代、怖い者なしの2人が殴り込みをかける。【横山慧】

 ◆生(なま)ハムと焼(やき)うどん 都内の高校1年時の文化祭時、同級生だった、神奈川県在住の東と埼玉県在住の西井の2人で結成。名前の由来は好きな食べ物(生ハム=西井、焼うどん=東)。通称「生うどん」。寸劇の脚本や衣装、楽曲の作詞・作曲などを全て自分たちで手掛ける。現在はCD-Rを直接ファンに売っている。今年10月21日に都内で3000人動員の単独ライブ開催予定。

 ◆アイドル甲子園 13年4月から開催されている、全国のアイドルが出演するイベント。大規模なフェスティバルは、今回が4回目の開催。この日は、会場内に設置された5つのステージに、続々とアイドルが登場。PASSPO☆、paletらをはじめ、沖縄のRYUKYU IDOL、山口の山口活性学園ら、ご当地アイドルも多数出演。上野優華らソロのアイドルもパフォーマンスした。全体的に4~6人のグループが多かったが、20人を超える大所帯もあった。全国的に知名度のあるアイドルは限られていたが、関係者によると、出演者の基準は「今後輝く可能性がある人」だという。