今世紀最高視聴率(23・5%=関東地区)で2日に放送終了したNHK連続テレビ小説「あさが来た」で、波瑠演じるヒロインあさが死別した夫(玉木宏)と“再会”して迎えたエンディング場面について、制作側の想像を超える反響があったことが7日、分かった。

 この日、制作のNHK大阪放送局・正籬聡(まさがき・さとる)局長が大阪市内の同局で定例会見を開き、番組を担当した佐野元彦エグゼクティブ・プロデューサー(EP)も同席。佐野EPは「はい、反響の声は多かったですね。いったい(玉木が波瑠を)お迎えに来たのか、どうなんだ? と言われました」と話した。

 撮影は3月5日に終了したが、最終収録場面は異例の非公開で、佐野EPは「想像を超えるエンディング」と予告していた。実際の最終回では、後輩女性を前に講演していたあさが、ふと周囲を見渡すと、亡くなった夫・新次郎の姿が。あさが丘に現れた亡き夫のもとへ駆け寄って再会。すると2人は若返り、新次郎が「ご苦労さんです」とねぎらいの言葉をかけ、抱擁してエンディングを迎えた。

 メルヘンチックな展開に視聴者からは「どういった結末か」との声が上がり、佐野EPのもとにも多く届いた。佐野EPは「いろんな理解の仕方もあったでしょうが、とにかく、新次郎が“あさには見えた”ということです。でこぼこ夫婦の絆を最後にもう1度、しっかりと描きたかった」と説明。反響の大きさには驚いたという。

 同大阪放送局によると、最終回だけではないが、番組公式ホームページなどに「1万2000件を超える意見」が届いた。その内容は、ドラマチックな展開に感謝するものが多かったという。

 最終回まで波紋を呼んだ「あさ-」は全話平均23・5%の視聴率で、今世紀最高のフィニッシュを迎えた。正籬局長は「最初は朝ドラ史上初のちょんまげ(幕末)スタートということで、大丈夫か? という声もありましたが、家族の絆という普遍的なテーマを多面的に描くことで、日に日に視聴者の信頼を得ていった」と説明。出演した俳優陣、スタッフらをねぎらった。

 3月28日からは同局1階で、ドラマのセットを公開している。前日6日まで10日間の集計で、5万6000人が訪れたことも発表された。昨年の「マッサン」は2万4000人だったことから正籬局長はあらためて「皆さんに親しまれていた番組なんだなと感じました」と感謝した。

 昨秋から放送された全156話の後半部分は、5月5日午前10時15分から「あさが来た 総集編(後半)」(総合)として放送する。すでに1月に放送された前半の総集編も、同日午前8時15分から再放送されることも決まった。

 また、前日6日に発表された大阪放送局制作の次作「べっぴんさん」(10月3日スタート)のヒロイン、芳根京子(よしね・きょうこ)について、正籬局長は「昨日の会見前にあいさつにいらした。ぱっと見た感じ優しい雰囲気ですが、キリッとした強さを秘めている方。戦後の混乱の中、子供服専門店を立ち上げるヒロインすみれにぴったりのイメージでした」と期待感を口にした。