大阪松竹座公演「七月大歌舞伎」(7月3~27日)を控え、毎夏恒例の船乗り込みが29日、大阪市内で行われた。

 今年の七月大歌舞伎は、5代目中村雀右衛門(じゃくえもん=60)の大阪での襲名興行を兼ねており、雀右衛門のほか、片岡仁左衛門(72)らが乗船。八軒家浜から道頓堀まで約3・9キロを巡航した。

 船が道頓堀に到着すると、沿道のファンから雀右衛門の屋号である「京屋!」とのかけ声が飛んだ。

 船乗り込みは、水都・大阪に夏を告げる風物詩。戎橋近くの松竹座前で、雀右衛門は「実はわたくし、大阪生まれでございまして、ご縁のある大阪で、雀右衛門という上方由来の名前を襲名させていただきますこと、こんなにうれしいことはございません。より一層勉強しまして、勤めてまいりたいと思います」とあいさつした。

 仁左衛門も「雀右衛門さんの襲名披露、とにかく一生懸命みんなで盛り上げていきたいと思います」。最後は、坂田藤十郎(84)が「ぜひとも、またみなさんとお目にかかりたいと思います。本日は雨の中、ようこそお越しくださいました」と締め、大阪締めで公演の成功を祈願した。