佐藤健(27)が映画「亜人」(2017年公開)に主演し、大ヒットした「踊る大捜査線」シリーズを手掛けた本広克行監督(51)とタッグを組むことが3日、分かった。桜井画門氏の同名コミックが原作。12年から「good! アフタヌーン」(講談社)で連載中の殺しても死なない不死身の新人類「亜人」を主人公にした作品で、20代後半~30代前半男性を中心に人気に火が付き、単行本は累計540万部を売り上げた。

 佐藤は国家転覆を狙う同じ「亜人」の暴走を止めるため、やむなく戦う最弱の「亜人」を演じる。本広監督は佐藤の起用について「クールで達観したように見えて、実は熱いものを芯に秘めている感じが主人公にぴったりと、満場一致で決定しました」。佐藤に合わせて主人公の設定を変更。原作では17歳の高校生だが、映画では26歳の研修医になる。一部オリジナルストーリーも含まれる。

 アクションは全編を通じて約8割と比重が多い。ビルの屋上から飛び降りたり、銃を使うシーンなどもあるが、佐藤はスタントなしでアクションシーンに挑む予定だ。本広監督は「(佐藤主演映画シリーズ)『るろうに剣心』でみせた身のこなしも、アクションが肝の今作で現場を引っ張ってくれる存在になるのでは」と期待を寄せる。

 佐藤は「この作品を映画化したいと思いました。死なない特性を利用して、今までにないアクション映画が作れるからです。うまくいけば、相当極上なエンターテインメント作品に仕上がるのでは」と手応えを感じている。

 「踊る-」シリーズの興行収入は4作計407・3億円。佐藤主演の「るろうに剣心」シリーズは3作計125・8億円のヒットを記録した。ヒットメーカー同士のタッグで、本作でも大ヒットを目指す。

 ◆映画「亜人」 研修医の圭(佐藤)はトラックと衝突し死亡したが、直後に肉体が回復し、生き返る。不死身の新人類「亜人」と発覚した圭は、亜人研究施設に監禁され、非人道的扱いを受ける。その時、同じ「亜人」のテロリスト、佐藤が圭に手を差し伸べる。だが国家転覆を図り、大量虐殺を繰り返す佐藤に、加担できない圭。佐藤の怒りの矛先は徐々に圭に向かう。戦いたくない最弱の「亜人」の圭が、佐藤を止めるため立ち上がる。