落語家の桂文枝(73)が、一人話芸日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」に対する複雑な心境を明かした。

 文枝は17日放送のNHK「ごごナマ」に生出演。まだ売れる前だった明石家さんまや笑福亭鶴瓶の才能を早くから見抜き、自身の番組などで紹介していたことでも知られているが、「そういう人が売れてくるとうれしいですね。自分にも刺激になるし、ええカッコじゃなくて、自分も頑張りたいなと思いますから」と、後輩芸人が売れることへの思いを語った。

 現在も弟子や若手芸人に対して「それはやっぱり売れて欲しいですね」という文枝。「売れる方法はいろいろあると思うんですけど、研究して勉強して、さんまちゃんや鶴瓶ちゃんのような人がどんどん出てきて欲しいですね」と願った。

 しかし昨今では、落語家は漫才師などほかのお笑い芸人の陰に隠れてしまっており、文枝は「やっぱり漫才の人の方が勉強もしてる。というのは、人数が山ほどいらっしゃいますから、その中から出てくる人というかなり競争が激しい中を勝ち抜いて来てるから、優秀な才能のある人が多いと思います」と分析した。

 それでもやはり落語家がもっと活躍してほしいという思いは強い。「R-1ぐらんぷり」はもともと落語の「R」を冠したコンテストであることに触れ、「僕も審査員しながら、落語家が誰も出てこないんで、これは時代なのかと思って」と残念そうな表情を見せた。「裸の方とか多いんですよ。裸の方が優勝して、私がトロフィーを持っていかないといけない。ほんなら、お盆持っておられるんでね、トロフィーを渡せないんですよ」と、前回王者となった“裸芸”のアキラ100%を引き合いに出して笑いを誘うとともに、「ですから、できたらトロフィー渡せる着物の方に優勝していただきたいと思いますね」と期待した。