星野源(37)が25日、東京国際フォーラムで行われた細田守監督(50)の新作アニメ映画「未来のミライ」(7月20日公開)ジャパンプレミアで、アフレコブースで同監督に演出されたことで、独身でいまだ体験したことがない、父親がどういうものかを理解できたと明かした。

 星野は劇中で、上白石萌歌(18)演じる甘えん坊の4歳の男の子・くんちゃんのおとうさんを演じた。アフレコの際、未来からやってきた妹ミライちゃんを演じた黒木華(28)と、おかあさんを演じた麻生久美子(40)と一緒に、家族で収録できたという。その際、監督が毎回、ブースに入り「僕の家庭の中では、こうなっていまして、こういうところが大変だ」とリアルな父親の思いを伝えてくれたという。星野は「僕は独身で、子どもがいるわけじゃないので分かっていないんですけど、細田さんの横顔を見て、お父さんはこういう人なんだと分かった。言っていただいてうれしかった」と笑顔でアフレコを振り返った。

 星野は登壇時に大歓声を浴びると、一瞬、驚いたように笑みを浮かべた。そして「監督の作品に出演させていただくのは初めて。ものすごく、すばらしいです。僕はDVDで見た。DVD画質だったので、本当にうらやましい。ものすごい作品を作られたなぁと…参加させていただき、うれしい」と、作品をDVDで見たこと、大きなスクリーンで見る観客がうらやましいと素直な思いを吐露した。

 星野は、劇中で家族を演じたことについて「今、世界中で多様性のある家族を描くのが起きている。血がつながっていなくても家族なんだと…それが世界が抱える問題意識の表れだと思う」と熱く語った。話は止まらず「監督は3年前に『バケモノの子』で描いている。今回は血のつながっている家族でも家族になっていくのは大変だと…家族ムービーの最先端だと。すごいと思った。血がつながっていなくても家族になれる。でも血がつながっているのが根本…それが世界中に伝わるのが面白い」と家族について語り続けた。司会から「星野さんも家族について歌っていらっしゃいますよね?」と問いかけられると「Family Song、絶賛、発売中です!!」と17年にリリースした自身の楽曲をアピールした。

 麻生は、上白石演じるくんちゃんと黒木演じるミライちゃんとは逆に、上が娘、下が息子の2児の母で「くんちゃんの家庭と男女が逆。上が娘で犬がいる。私の中で、グッとくるところが、たくさん描かれています。分かること、共感することばかり。なんて気持ちいいんだろう…と思った。後半にいくにつれて涙が止まらず心揺さぶられた。細田さんの手に関わると、普通が普通じゃなくなる。細田マジック」と共感した思いを吐露し続けた。

 「未来のミライ」は、既に海外で90の国と地域での配給が決まっている。世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭から独立した、世界最大のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭コンペティション部門に選出され、上映されている。