日本映画界を代表する俳優として活躍している高倉健(82)が、文化勲章受章にあたってコメントを発表した。全文は次の通り。

 映画俳優として58年、205本の映画に出演させていただきました。

 大学卒業後、生きるために出会った職業でしたが、俳優養成所では「他の人の邪魔になるから見学していてください」と言われる落ちこぼれでした。それでも「辛抱ばい」という母からの言葉を胸に、国内外の多くの監督から刺激を受け、それぞれの役の人物の生きざまを通して社会を知り世界を見ました。

 映画は国境を越え言葉を越えて、“生きる悲しみ”を希望や勇気に変えることができる力を秘めていることを知りました。

 今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います。

 映画俳優・高倉健を支えてくださった多くの方々に、深謝申し上げます。どうもありがとうございました。