女優余貴美子をブレークさせた官能映画「ヌードの夜」(93年、石井隆監督)が、17年ぶりに復活する。主演竹中直人(54)ヒロイン佐藤寛子(25)の映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」(10月2日公開)が石井監督によって撮影されたことが16日、分かった。グラビアアイドルだった佐藤がオールヌードに初挑戦。男にもてあそばれ、エロチシズムの世界に巻き込まれる美女を演じた。

 「この役をやれるか不安でしたが、『やりたい、誰にもやらせたくない』と思いました」。もともと女優志望で、02年の主演映画「スケアー~地獄の課外授業~」でデビュー。その後はFカップの豊乳アイドルとして知名度を上げたが、07年以降は女優業に専念していた。潜在能力の高さを石井監督に認められ、ヒロインに抜てきされた。

 男と女の情愛を官能的に描く石井監督作品でヒロインを演じた女優は、ブレークを続けている。92年「死んでもいい」の大竹しのぶ、94年「夜がまた来る」の夏川結衣、00年「フリーズ・ミー」の井上晴美、03年「花と蛇」の杉本彩ら。佐藤も全裸シーンを体当たりで演じ、飛躍のきっかけにするつもりだ。「この映画で、自分がいかに非力であるかを思い知りました。これからの自分につながると感じています」。17年前の前作に続いて主演した竹中は「石井監督の世界は、1歩足を踏み入れたら抜け出すことができないエネルギーと映像美を持っている」と実感していた。

 [2010年6月17日10時3分

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