漫画トリオで一世を風靡(ふうび)した青芝フック(86)、落語家桂福団治(83)、漫才コンビ若井ぼん・はやとの若井ぼん(79)らが29日、大阪市のDAIHATSU心斎橋角座で舞台「甦る、昭和演芸」に出演した。

関西演芸協会の会長を務める福団治が、古き良き昭和の寄席の再現を呼びかけ実現。若かりし頃の舞台の映像やトークで盛り上がった。

冒頭、あいさつに立ったフックは「86歳です」と年齢を明かしただけで拍手を浴び、「関西の演芸界では、大村崑さんと浜村淳さんがおれへんようになったら、僕が最高齢。別におらんようになってほしいんとちゃうで」と軽妙なトークを繰り広げて笑いを誘った。

昭和芸人の生きざまといえば「飲む、打つ、買う」の3拍子。福団治、ぼんとのトークで、司会のシンデレラエキスプレス渡辺裕薫から「1番、飲んだのは?」と聞かれると、ぼんは「フックちゃん」と指名。フックが「1晩でハイボール20杯とか飲んでた」と“武勇伝”を披露すると、ぼんは「その明くる日にゴルフ行って、その後、また飲みに行くからね」と飲みっぷりを明かした。

「打つ」も「僕は20年間、競馬番組の司会をやってたからね」とフックが戴冠。「買う」についてもフックが指名され、“3冠”達成。フックは「もう卒業した。そういう話は認知症になってから」とけむに巻いたが、ぼんから「年も顔も関係ないからね」と、フックの“プレイボーイ”ぶりをバラされた。

漫画トリオについても言及。漫画トリオは横山ノックさんが政治家を目指したことで解散となったが、「ノックさんが国会議員になって、大阪の知事になってから、大阪が地盤沈下した。敵陣営にも行って『入れたらアカン』って言うたのに。タクシー乗っても『入れましたで』って言われて、そんなんするから大阪がアカンようになる。明るくはなったけどね」と毒を交えながら回顧。01年に参院選に立候補し、落選経験のあるぼんは「選挙の話はしたくない」と苦笑した。

イベント終了後、ぼんは「だいぶ、押さえて話しました」とニヤリ。フックも「喋ってええこととアカンことの区別がついてない」とぼやきながら、「生きてる限りは出たい。来年は昭和100年。もっとでっかいやつにしたい」と満足そうに振り返っていた。