日本テレビの朝の顔、羽鳥慎一アナウンサー(39)が、来年3月いっぱいで退社してフリーとして活動することが9日、分かった。同局の朝の情報番組「ズームイン!!

 SUPER」(月~金曜午前5時20分~午前8時)も降板する可能性が高い。男性アナウンサーの好感度ランキングで、TBS安住紳一郎アナウンサー(37)と人気を二分してきた大物若手アナが、次世代のみのもんた、久米宏、小倉智昭を目指して、テレビ界を自由に飛び回る。

 フリーになる決心を固めた羽鳥アナの所属先が正式に決まった。日本テレビ関係者は「数日前に来年3月いっぱいでの退社が内々で伝えられた。所属事務所は株式会社『テイク

 オフ』」と明かした。

 旧知の仲の同事務所横山武社長から熱心に口説かれ、フリーで活動することを決断した。同事務所は、今年4月に宮根誠司アナウンサー(47)がフジテレビ系情報番組「Mr.サンデー」の司会で、東京進出したときに設立されたばかり。現在所属しているのは宮根アナ1人だが、今後は大物キャスターの2枚看板を抱えることになる。

 同局関係者は「落ち着いた仕切りで出演者の話を引き出すのが得意な羽鳥アナは、関西弁のトークで場を盛り上げる宮根アナとは正反対。これから20年のテレビ界を背負って立つキャスター同士でも、キャラクターや仕事がかぶらないと考えたようだ」と説明した。

 羽鳥アナは、94年に同局に入社し、正月の「箱根駅伝」実況や情報・バラエティー番組など、幅広く活躍した。03年2月からは、同局の朝の看板番組「ズームイン!!

 SUPER」の司会に抜てきされた。以降の8年間は、各雑誌や調査会社の「男性アナウンサー好感度ランキング」で、TBS安住アナと人気を二分してきた。みのもんた、小倉智昭、関口宏らフリーキャスターの高齢化で世代交代がささやかれる中、働き盛りの30代のどちらが先にフリーになるのか注目されていた。

 別の日本テレビ関係者は「以前から40歳までのフリーを目指していた」とも話す。最近は、同局出身の福沢朗が所属する「イースト」や、関口の「三桂」、現在のレギュラー番組「人生が変わる1分間の深イイ話」でパートナーを務める島田紳助が所属する「吉本興業」からもオファーがあり、水面下で争奪戦が繰り広げられていた。

 羽鳥アナは今回の退社により「ズームイン」を降板する可能性も高い。一方で、早くも羽鳥アナには、他局からのオファーが殺到している。不景気にあえぐ民放各局は、高額な出演料のベテランキャスターとの入れ替えも検討。視聴率低迷が続く「みのもんたの朝ズバッ!」のTBSや、高島彩アナが卒業した「めざましテレビ」のフジテレビなどが、ライバル番組「ズームイン!!

 SUPER」から人気司会者を引き抜いて、一気に勢力図を塗り替える可能性もある。

 徳光和夫、福留功男、福沢朗と「ズームイン」を担当して「ミスター日テレ」と呼ばれた先輩アナに続く羽鳥アナ。文字通りに、テイク・オフ(離陸)して、自由にテレビ界を羽ばたくことになる。今後、どこの局、番組に登場するのか、来春以降、羽鳥アナの活躍の場に注目が集まりそうだ。

 [2010年11月10日9時9分

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