お笑いコンビ、次長課長の河本準一(37)の母親が生活保護を受けていると、一部で報じられていた件で16日、所属事務所は「不正受給のそしりを受ける違法行為は存在しない」との見解を発表した。きょう17日発売の週刊誌3誌が実名報道することもあり、事務所側が対応した。先月、一部で「高年収人気芸人の母に生活保護不正受給疑惑がある」と匿名で報じられたのを皮切りに、今月初め、自民党の片山さつき議員が河本の名をブログで記述したこともあり、ネット上などで話題になっていた。

 これまで匿名報道が続いていたが、17日発売の「女性セブン」は「河本準一『母の生活保護問題』が国会へ!

 片山さつき議員が『厚労省を通じて調査しています』」の見出しで報じている。同誌は、自民党の片山さつき議員や世耕弘成議員がこの件を生活保護不正受給疑惑として問題視し、国会で取り上げることや、法改正も視野に入れていることなどを詳報している。また同日発売の「週刊文春」「週刊新潮」でも実名で同問題に関する記事を掲載している。

 河本の母親が生活保護を受けているとの報道は、4月12日に発売された「女性セブン」が「年収5000万円(推定)超人気芸人『母に生活保護』仰天の言い分」という見出しで匿名で報じたのが最初だった。母親を援助できるほどの高年収の人気芸人であるにもかかわらず、その母親が生活保護を受けているという「不正受給疑惑」を指摘した内容だった。

 直後からネット上では、この匿名芸人の実名が取りざたされ、同誌の報道が話題になった。今月2日には、片山氏が自身のブログで「河本準一氏の『年収5000万円、母親生活保護不正受給疑惑』について、厚労省の担当課長に調査を依頼しました」と実名で記したこともあり、ネット上などで河本の名とともに波紋が広がった。

 河本は、母親を「おかん」と呼び、しばしばお笑い番組でネタにしていた。16日、世耕氏はブログを更新し「本人からの説明がない状況が続く場合には、自民党のPT(プロジェクトチーム)として国会で質問したり、内閣への質問主意書という形で調査を進めなくてはならないことになる」と記した。

 所属のよしもとクリエイティブ・エージェンシーは同日夜、公式HPで同問題に対する見解を初めて発表した。河本の無名時代から母が生活保護を受給していたことは認めたが「生活保護費の不正受給のそしりを受けるような違法行為は存在しない。現在は、生活保護費を受給していない」と明言した。

 また、河本の収入は時期によって大きく上下しており、諸事情から生活の援助を行わなければならない親族が複数いるといい「親族全員に対して将来にわたっても安定的な援助を行えるかどうか、見通しが非常に難しかったという事情もある」と説明した。

 2議員に対しては「2人の国会議員が、河本側の事情も十分に確認しないまま個人に対し批判的な発言をしたことについては、非常に悲しいことと感じている」としている。