爆笑問題らが所属する芸能事務所タイタンの太田光代社長(49)が27日までに、所属タレントと社員に薬物検査を実施させているとツイッターで明かした。今後全員が受けるという。一部で、元社員が覚せい剤取締法違反容疑で公判中と報じられたことを受けた措置。日刊スポーツの取材に、事務所として薬物撲滅運動に乗り出すことを誓った。

 太田社長は医師でもある所属タレント奥仲哲弥、吉田たかよしに相談し、23日以降、自身と夫の太田光ら爆笑問題を皮切りに約30人の所属タレントと社員13人に順次、病院で薬物検査をさせている。覚せい剤から大麻まで幅広い違法薬物を検出できる、いわゆるスクリーニング検査が行われているという。

 きっかけは24日発売の週刊誌「女性自身」で、爆笑問題の元マネジャーの男が覚せい剤取締法違反容疑で昨年逮捕され、現在公判中と報じられたこと。同誌に「スタッフと所属タレント全員、病院で薬物検査をすることにしました」と答えていたのを実行した形だ。

 ツイッターでも27日までに「薬物検査を、させているのが苦しいのです!

 社員にも。タレントにも。必要だと思ったからです」と検査開始を明かしつつ、苦しい胸の内をつづった。

 太田社長は日刊スポーツの取材に対し、男は約1年半前に居眠り運転事故を起こし退社した上、日々の業務報告に虚偽があり諭旨解雇したと説明。罪状では、在籍中の覚せい剤使用嫌疑も出ているが「身近でこんなことが起きたのは本当に初めて。周りも気付いておらずビックリ。恩情をかけたつもりだったのに裏切られた。事務所立ち上げ以降、反社会勢力との付き合いも断ってまじめにやってきた。怒りを通り越しすごくショックです」と憤った。

 ASKA被告の逮捕など芸能界の薬物汚染が問題視される中、芸能事務所として毅然(きぜん)とした姿勢を示し「絶対の自信があるけれど(陽性反応が)出たら警察に突き出さないといけない」と固い決意も口にした。

 一方で「みんなの潔白を証明したくて検査を始めた。でもタレントと社員が社長に疑われる感覚に陥るのは否めない。申し訳なく、感じたことのない感情がわいた」と沈痛な思いを吐露。「事務所として撲滅に積極的に取り組みたい。国と連携したり、既に取り組んでいる方に聞き、新しい企画など、うちのやり方でやりたい」と誓った。

 ◆違法薬物のスクリーニング検査

 病院などでする場合、一般的には尿を検査キット内の試薬に浸し、陽性の場合は反応が出る。4日程度以内の使用が分かる。3~4日で陽性か陰性かが判明し、陽性の場合、さらに確認検査で1~2日を要する。覚せい剤、コカイン、MDMA、大麻などまで検出できる。