子育てしながら働く女性たちに勇気を与える存在として注目されている。演歌歌手竹村こずえ(36)。デビュー曲「能登の海鳴り」が息の長いセールスを記録中だ。4月の発売以来、今も全国のCD店から毎週出荷注文が届く。3人の子供を持つシングルマザー。18歳から3年間、10トントラックの運転手をしながら幼い子供たちを育て、夢をつかんだ。各地のキャンペーン先で、同年代の働く女性や母親たちから「私も頑張ります」と声を掛けられる。「同じような境遇の方々と接することで、自分が励まされている感じです」。

 かつての仕事が縁となり強力な援軍も得た。全国のデコレーショントラック好きが結成した親睦団体「全国哥麿会(うたまろかい)」(全国35支部、会員数約5000人)のチャリティーイベントとのコラボレーションが決まり、既に全国3カ所で歌唱した。「若い世代の方々に聞いていただくいいチャンス。やりがいがあります」。

 滋賀県内の自宅に子供を置いて仕事先に向かう。無料通信アプリLINEを使ってコミュニケーションをとる。「子供たちの応援が何よりうれしい」。夢はNHK紅白歌合戦出場だ。